ディープインパクトのラストクロップはどの馬?最終世代について考えてみた
日本にいる競馬ファンの多くが悲しみに暮れた7月30日。
ディープインパクト死亡のニュースが駆け巡りました。
私自身もディープインパクトの三冠レースは競馬ファンになる以前からしっかりと記憶に残っている数少ないレースの一つであり、凱旋門賞や2回の有馬記念は今でも鮮明に覚えています。
私の心に深く刻まれている伝説の2013年日本ダービー。
実力馬の凌ぎ合いに心踊った2016年の牡馬クラシック。
これらの主役であったキズナ、マカヒキ、サトノダイヤモンド、ディーマジェスティなどはすべてディープインパクトの産駒でした。
もちろんディープインパクトが競争馬、種牡馬として日本に残してきた功績はこれだけに留まらず、数多くの名レース、名馬、名牝を日本競馬に送り出してきました。
日本競馬界はしばらく”ディープインパクトの死”で一色になってしまうと思いますが、ここで残されたディープインパクトの血を受け継ぐ馬のことについて考えてみたいと思います。
※写真は2016年に社台SSで撮影したディープインパクトの写真。
ディープインパクトの残る世代は2世代
ディープインパクトの産駒は今年デビューした産駒を除くと残り2世代。
昨年種付けされた2018年世代は197頭の繁殖牝馬に種付けがされていますが、出産頭数については現時点で明確な数字はわかりません。
今年種付けされた世代については3月にディープインパクトの首の痛みを理由に種付けを中止しているため、種付けされた繁殖牝馬の数は24頭と言われています。
ディープインパクトの晩年の産駒については種付け料のアップによって日本の繁殖牝馬だけでなく、海外の一流の繁殖牝馬が来日して種付けを行なっているため、これらの産駒の中で無事に日本で競争馬としてデビューする馬の数は非常に少なくなることが予想されます。
日本で種付けを行なった繁殖牝馬はなんと4.5頭!?
この記事を書いている際に非常に興味深い記事を見つけました。
競馬ファンでSNSをやっている方にはお馴染みの次走報さんが引用ツィートした社台SS徳武さんのコメントです。
ディープインパクト、今年の種付け頭数は24頭だけ。海外の繁殖牝馬が半数以上を占め、徳武氏は「日本で生まれるのは4、5頭ぐらい」との見解を示した。亡き父の遺志を受け継いだラストクロップは、順調なら22年夏にデビューする。https://t.co/atoSgTuruw
— 次走報 (@Jisou_hou) July 31, 2019
なんと日本で生まれるディープインパクトの最終世代は4.5頭というのです。
もちろん競争馬の世界は生まれた馬がすべて健康に育ってデビューするわけではありませんので、この中の何頭がディープインパクトのラストクロップとして日本のターフを走るのでしょうか?
ディープインパクトの最後の遺伝子を受胎している繁殖牝馬の情報などは現在まだ出回っていませんが、この中の産駒にノーザンファームの繁殖牝馬がいるとしたら・・。
その馬が牡馬でセレクトセールで取引されることになるとしたら・・。
果たしてどんな金額で落札されるのでしょうか?
ちなみにディープインパクト産駒の最高額落札馬については2017年にセレクトセールに上場されたイルーシヴウェーヴの2017。
落札額は衝撃の6億2640万円で当歳の牡馬では歴代最高額となっています。
奇しくもこのイルーシヴウェーブの2017は今年新馬としてデビューする予定です。
名前はアドマイヤカストルでしたが、オーナー側の都合で今月急遽名称がアドマイヤビルゴに変わっています。
今年注目の2歳馬の中ではデビューの目処はたっていないようですが、残された数少ないディープインパクト産駒として衝撃のデビューを飾ってほしいです。
ディープインパクト亡き令和の日本競馬
ディープインパクトは種牡馬として7年連続でリーディングサイヤーに輝き、産駒のG1勝利数は50勝を超える日本競馬史に残る種牡馬です。
ディープインパクトの死という悲しみに暮れると同時に、競馬ファンの皆さんは次のリーディングサイヤーの栄冠をどの馬が掴むのか気になると思います。
今年はディープインパクトと同じく日本の競馬史に残る種牡馬成績を残したキングカメハメハの種牡馬引退も発表されています。
オルフェーヴルやゴールドシップなどの名馬を輩出したステイゴールドは2015年にこの世を去っており、ラストクロップは昨年末に既にデビューしています。
2019年7月末時点での種牡馬リーディングではTOP3に輝く馬が既に種牡馬としての現役を終えた令和元年。
日本競馬はいったいどのような方向に向かうのか。
ディープインパクトの死は非常に悲しいですが、これからはじまる新しい日本競馬の展望を考えると不思議とワクワクした気持ちにさせてくれます。
ディープインパクト亡き日本競馬の皆さんの展望をぜひお聞きしたいです。