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【POG】早期デビューは本当に有利?G1馬のデビュー時期を調べてみた

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POGでは6月などに早期デビューする馬がポイントを稼ぎやすいため上位指名として優先して指名される傾向があります。

しかし暮れの2歳G1・春の3歳G1の勝ち馬をピックアップすると果たしてどの時期にデビューした馬がG1ホースになっているのでしょうか。

ここでは過去5年の2歳・3歳春G1馬の中から、それぞれのデビュー戦の時期をまとめてみました。

POGの指名馬に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

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G1馬は最多の9頭!マイル戦に強い6月デビュー


【シーザリオの期待仔】サートゥルナーリア新馬快勝!

2歳戦が開幕する6月はもっとも多い9頭のG1馬がデビューした月です。

2018年だけでみてもサートゥルナーリア、グランアレグリア、ダノンファンタジー、アドマイヤマーズが6月にデビューしており、近年はノーザンファームの評判馬も積極的に使われている傾向がわかります。

皐月賞馬のサートゥルナーリアとイスラボニータ以外はすべてがマイルG1ウィナーとなっており、早期デビューは魅力ですがダービー、オークスなどを見据えるにはちょっと不安もあります。

6月に開催される安田記念当日の東京1600mの新馬戦は、G1馬の実績も高く見逃せないレースです。

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  • グランアレグリア 2019年桜花賞
  • サートゥルナーリア  2018年ホープフルS、2019年皐月賞
  • アドマイヤマーズ  2018年朝日杯FS、2019年NHKマイルカップ
  • ダノンファンタジー  2018年阪神JF
  • ケイアイノーテック 2018年NHKマイルカップ
  • ダノンプレミアム  2017年朝日杯FS
  • アエロリット 2017年 NHKマイルカップ
  • メジャーエンブレム 2015年阪神JF、2016年NHKマイルカップ
  • イスラボニータ 2014年皐月賞

 

クラシックを狙うにはここしかない!10月デビュー


ドゥラメンテの新馬戦 レース&パドック

日本ダービー3勝、オークス2勝、皐月賞3勝とクラシックで圧倒的な成績を誇る10月デビュー組。

2冠馬ドゥラメンテを中心に、マカヒキ、レイデオロなどのダービー馬やシンハライトなどのPOG期間に大活躍した馬が揃います。

10月は東京と京都でG1が開催されるため、それに合わせてノーザンファームの良血馬がデビューされることが多く、クラシックを狙い打ちするには最高の時期です。

  • エポカドーロ 2018年皐月賞
  • レイデオロ 2017年日本ダービー
  • アルアイン 2017年皐月賞
  • マカヒキ 2016年日本ダービー
  • シンハライト 2015年オークス
  • ドゥラメンテ 2015年皐月賞、日本ダービー
  • ヌーヴォレコルト 2014年オークス

 

非社台系のG1馬は8月デビューが多数


新潟5R 2歳新馬 ロジャーバローズ 2018/08/18

2018年の牝馬クラシック3冠馬アーモンドアイを筆頭にロジャーバローズ、ワンアンドオンリーなどのダービー馬を輩出している8月デビュー組。

6月デビュー同様、こちらも9頭のG1馬を輩出しています。

9頭のG1馬の内ダービー馬2頭を含む5頭が非社台系の生産馬となっており、非社台系の指名馬を探している方には絶好の時期です。(ロジャーバローズは育成はノーザンファーム)

夏開催真っ只中ということもあり、デビューした競馬場は札幌、新潟、小倉と多岐に渡ります。

下位指名馬でG1を狙いたい方には、実は一番狙い目の時期かもしれません。

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  • ロジャーバローズ 2019年日本ダービー
  • アーモンドアイ 2018年牝馬三冠
  • タイムフライヤー  2017年ホープフル S
  • ラッキーライラック 2017年阪神JF
  • レーヌミノル 2017年桜花賞
  • サトノアレス 2016年朝日杯FS
  • レッツゴードンキ 2015年桜花賞
  • ショウナンアデラ 2014年阪神JF
  • ワンアンドオンリー 2014年日本ダービー

 

7月デビューを狙うには中京がおすすめ!


2017/07/16 中京5R 2歳新馬【ワグネリアン】

G1馬の数は4頭にガクっと落ちてしまいますが、POGには外せない7月の早期デビュー組

ワグネリアン、ソウルスターリング、ハープスターなどのクラシックの中心として活躍したG1馬がこの時期にデビューしています。

特に7月の中京開催ではワグネリアン、ハープスター、クラリティスカイの3頭のG1馬を輩出しており、7月開催の中では非常に注目したいポイントです。

今年は友道厩舎の期待馬マイラプソディが7月中京開催でデビューしており、クラシックの有力候補として注目を集めています。

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  • ワグネリアン 2018年日本ダービー
  • ソウルスターリング 2016年阪神JF、2017年オークス
  • クラリティスカイ 2015年NHKマイルカップ
  • ハープスター 2014年桜花賞

 

11月デビューは東京よりも京都が鉄板!


2018年11月3日 京都7R 2歳新馬 ラヴズオンリーユー

こちらも7月組と同じく4頭のG1馬を輩出している11月デビュー組。

年内デビューではやや遅めの時期となってくるため、狙えるG1もやや絞られる印象です。

G1馬の4頭の内、ラブズオンリーユー、ジュエラー、リオンディーズの3頭が京都デビューとなっており、同時期にG1が開催される東京よりはこちらのほうがクラシックでは好成績です。

偶然ですが、これらの勝ち馬はすべてMデムーロ騎手でG1を制覇しており、もしかするとデムーロ騎手と相性の良い馬が多い時期とも言えるかもしれません。笑

  • ラブズオンリーユー 2019年オークス
  • ジュエラー 2016年桜花賞
  • リオンディーズ 2015年朝日杯FS
  • アジアエクスプレス 2014年朝日杯FS

 

G1馬のデビューにはやや鬼門!9月デビュー


ディーマジェスティ 新馬戦

夏競馬も後半戦となり、中山や阪神で秋競馬が開幕する9月デビュー。

調査結果では2014年から2019年までの春のG1ホースには中山デビューの馬が一頭もおらず、POGにはやや鬼門な印象を持ちました。

ちなみに9月デビュー組のディーマジェスティ、ダノンプラチナ、ミッキーアイルの3頭は札幌と阪神でデビューしています。

ノーザンファームの良血馬が10月まで待ってからデビューされることが多いため、必然的に有力馬のデビューが少ないといった理由もあるかもしれません。

  • ディーマジェスティ 2016年皐月賞
  • ダノンプラチナ 2014年朝日杯FS
  • ミッキーアイル 2014年NHKマイルカップ

 

クラシックホースへの最後のチャンスは12月


2014/12/07 阪神6R 2歳新馬【ジルダ】

もっともG1馬のデビューが少なかった12月は2014年のオークス馬ミッキークイーンのみのデビューでした。

ちなみに年明けデビューで3歳春のG1勝ち馬は過去5年のデータにはおらず、クラシックの舞台で中心として活躍できる馬を指名するには年内デビューが絶対条件となりそうです。

12月は既に2歳G1も開幕していることから、ここまでにデビューしていなかった馬でのG1勝ちを狙うのは非常に難しい印象です。

・ミッキークイーン 2014年オークス

 

POGでG1馬を指名するには6月から11月がおすすめ!

ここでのデータをまとめるとPOGでG1馬を指名するには例外を除くと6月から11月までの2歳新馬戦でデビューした馬が重要な条件になりそうです。

特に2歳G1などのマイル戦で早い段階からポイントを稼ぎたい場合には6月。

クラシックホースとしてノーザンファームの良血馬を狙うには10月。

この2つの時期はPOGのデビュー時期を見ていく上で非常に大切なポイントです。

もちろんPOGはG1だけがすべてではないため、早期デビューを考慮して稼げるポイントを考えれば7月、8月の夏競馬でのデビューも押さえておきましょう。

【有力馬がズラリ】2歳馬・3歳馬の注目レースをまとめてみた

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POGや2歳・3歳馬をメインに競馬を楽しんでいる方はG1ホースがどんなレースやローテーションを選んでG1タイトルを獲得しているのか非常に気になるのではないでしょうか?

私もPOGをはじめて5年以上が経ち、それぞれの馬が歩んできたローテーションを見ていくと意外な共通点が見つかって非常に面白いです。

ここでは過去のG1馬や重賞馬が歩んできた出世レースに焦点を当て、2歳・3歳戦でチェックするべき注目レースをピックアップしました。

予想はもちろんPOGなどにもぜひ参考にしてください。

安田記念開催日の東京1600m新馬戦


グランアレグリア 伝説の始まり デビュー戦

POGファンにとって要チェックの安田記念当日の東京1600m新馬戦。

2018年は後にG1馬になるグランアレグリアとダノンファンタジーが1.2着になった伝説の新馬戦となりました。

2017年はクラシック戦線でも活躍し、後にマイルCSを制覇したステルヴィオが勝ち上がっており、ここ2年だけでも2頭のG1馬を輩出しています。

2015年は新潟2歳Sを勝ちNHKマイルカップでも2着になったロードクエスト

2013年は後に共同通信杯から皐月賞を制覇し日本ダービーでは1番人気に支持されたイスラボニータがここでの新馬戦を勝ち上がっています。

今年はクラシック候補の筆頭格と言われるサリオスがここを勝ち上がっており、今後のレースが非常に楽しみです。

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クラシックの登竜門東京1800m共同通信杯


2019 共同通信杯(GIII) ダノンキングリー

クラシックのトライアルレースは数多くありますが、忘れてはいけないレースの一つが2月に東京1800mで開催される共同通信杯。

2012年にゴールドシップが2冠を達成するまでは出世レースとして認識されていませんでしたが、その後の勝ち馬は豪華なメンバーが揃います。

2014年の皐月賞馬イスラボニータ

2015年の皐月賞・菊花賞2着で後にドバイターフを制覇するリアルスティール

2着馬に同年の2冠馬ドゥラメンテもいます。

2016年の皐月賞馬、ダービーでは一番人気に支持されたディーマジェスティ

2017年のダービー2着、2018年の大阪杯勝ち馬スワーヴリチャード

2019年は皐月賞3着でダービーではクビ差の2着になったダノンキングリー

2着馬は同年のNHKマイルカップ制覇したアドマイヤマーズ。

春の牡馬クラシックである皐月賞、ダービーなどと相性が良いレースであるため、牡馬クラシックを占う上では外せないレースの一つです。

名牝が生まれる桜花賞前哨戦チューリップ賞


2019/03/02 第26回 チューリップ賞(GⅡ)【ダノンファンタジー】

牝馬クラシックに焦点を絞ると、桜花賞と同じ阪神1600mチューリップ賞が注目レースの一つです。

過去2年はダノンファンタジーやラッキーライラックなどの阪神JFの勝ち馬がチューリップ賞で勝利し、本番の桜花賞で敗れているためクラシックに直結するレースとしては難しい見方もできます。

しかし過去10年のレース結果を見ると・・。

2009年の牝馬クラシック2冠、後に多くの古馬G1を制覇した名牝ブエナビスタ

2014年の桜花賞馬としてオークス2着、札幌記念ではゴールドシップにも勝ったハープスター

2016年の桜花賞でハナ差の2着、オークスで悲願のG1制覇を果たしたシンハライト

2017年のオークスを圧倒的なパフォーマンスで制覇したソウルスターリング

と4頭のクラシックホースを輩出しています。

また古馬G1まで視野を広げると2012年の勝ち馬ハナズゴールはオーストラリアのG1を制覇しています。

さらに遡るとエアグルーヴ、スイープトウショウ、ウオッカなどの錚々たる面々が並ぶ、まさに名牝が生まれるトライアルレースです。

中山2000m弥生賞は特定の条件に注目


2018/03/04 第55回 弥生賞(GⅡ)〈レース結果〉

共同通信杯やチューリップ賞に比べるとクラシックとは縁の少ない皐月賞トライアル弥生賞。

しかし無敗の弥生賞の勝ち馬でピックアップすると非常に豪華なメンバーが揃います。

2001年の皐月賞を無敗で制覇し、引退後に種牡馬としても活躍したアグネスタキオン

2005年の3冠馬として日本競馬では歴代最強馬として語り継がれるディープインパクト。

2009年の皐月賞で惨敗した後、ダービーで雪辱を果たしたロジユニヴァース。

2015年のダービー3着後、一時低迷したものの古馬として香港カップや宝塚記念を制覇したサトノクラウン。

2016年の皐月賞2着、ダービーではディープ産駒3頭による激闘を制覇したマカヒキ。

2018年の勝ち馬ダノンプレミアムは、皐月賞を回避しダービーでは6着に沈むことになりましたが、古馬となり重賞を連勝しており、G1を勝てるポテンシャルを秘めた1頭です。

条件で絞る必要はあるものの、無敗で弥生賞を制覇した馬はG1の舞台で追いかけても損はなさそうです。

名馬がズラリ!阪神2400m神戸新聞杯


【レース結果】神戸新聞杯 ダービー馬 ワグネリアン快勝

POGユーザー向けではありませんが、クラシック最後の1冠菊花賞の前哨戦として阪神2400mで開催される神戸新聞杯。

意外と知られてませんが、今回紹介したレースの中でも恐ろしい出世レースとなっています。

  • 2002年 シンボリクリスエス
  • 2003年 ゼンノロブロイ
  • 2004年 キングカメハメハ
  • 2005年 ディープインパクト
  • 2007年 ドリームジャーニー
  • 2008年 ディープスカイ
  • 2010年 ローズキングダム
  • 2011年 オルフェーヴル
  • 2012年 ゴールドシップ
  • 2013年 エピファネイア
  • 2014年 ワンアンドオンリー
  • 2016年 サトノダイヤモンド
  • 2017年 レイデオロ
  • 2018年 ワグネリアン

2002年のシンボリクリスエスから2018年のワグネリアンまでの16年で14頭のG1ホースが勝ち馬になってます。

この14頭の中では故障で引退したキングカメハメハ。同年のダービー馬であるディープスカイ、ワンアンドオンリー、ワグネリアンの3頭以外のすべての馬が後にG1を制覇しており、まさに出世レースという名に恥じないレースになっています。

ここまで錚々たるメンバーが並ぶと阪神2400mで開催されるG1レースも見てみたいですね。

2歳、3歳戦を楽しむためには注目レースを要チェック

ここで紹介した5つのレースはPOGを楽しむ方はもちろん、2歳、3歳戦を馬券で楽しみたい方にもぜひチェックしていただきたい注目のレースです。

クラシック期間はもちろん古馬G1での活躍馬も多数輩出しているレースであるだけに、これらのレースの勝ち馬をG1で追いかけてみるのも非常に面白いです。

自分の出資馬や指名馬がこれらのレースで結果を残している方は今後のG1レースでも活躍が期待できるかもしれません。

私が紹介したレース以外で毎年注目しているレースがある方はぜひ教えてください!

2歳新馬戦の歴代最速の上がりを調べてみた【上がり32.0!?】

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8月3日に開催された新潟1600m新馬戦。

勝ち馬であるウーマンズハート(父ハーツクライ)がラスト3Fを32.0というメンバー最速の上がりで快勝しました。

ウーマンズハートはダーレージャパンファームの生産馬で、今年のゴドルフィンの期待馬の一頭でした。

他の出走馬が軒並み33秒台の上がりを使う中で、32秒台の上がりは次走も非常に面白くなりそうですが・・。

2歳新馬戦でこれまで早い上がりを出した馬ってどのようなメンバーなのでしょうか?

ここではそんな2歳新馬の歴代最速の上がり(1600m以上)についてみていきます。

ウーマンズハートは歴代最速タイ!?


2017/08/05 新潟5R 2歳新馬【ウラヌスチャーム】

過去の2歳新馬戦の勝ち馬の中で速い上がりを使った馬を調べてみると、驚くことに歴代最速は昨年の同じく新潟1600mで勝利したウラヌスチャームでした。

上がり3Fはウーマンズハートと同じく32.0。

ということはウーマンズハートも2歳新馬での歴代最速タイ記録ということになります。

ちなみに歴代最速の上がりで新馬戦を勝ち上がったウラヌスチャームは、3歳春の時点では2勝目をあげられなかったものの、その後3勝し2019年8月時点ではOP馬として牝馬重賞をメインに活躍しています。

歴代3位は同じく新潟新馬戦から!


2015/08/15 新潟5R 2歳新馬【レプランシュ】

歴代3位の上がり3Fを見ていくと、2015年に新潟1800mでデビューしたレプランシュの32.4がランクイン。

距離は200m伸びましたが直線の長い新潟コースが上位3頭を独占することになりました。

レプランシュはその後12月にこれまた33.1というメンバー最速の上がりでシクラメン賞を勝ち、明け3歳のきさらぎ賞ではサトノダイヤモンドの2着になるなどクラシック期間中にもまずまずの活躍を見せています。

クラシック路線からは故障により離脱してしまいましたが、無事であればダービーの舞台にも手が届いたかもしれません。

上がり32.5で初の重賞馬が登場


2017/08/06 新潟5R 2歳新馬【ロックディスタウン】

32.5で歴代6位タイになった馬は合計で3頭。これまた新潟1600mから・・。

2011年のエネアド、2015年のサプルマインドの2頭は共にクラシックの舞台には手が届かなかったものの、古馬成績を含めると共に4勝を記録しています。

また初の重賞馬としてロックディスタウンもランクイン

オルフェーブルの初年度産駒として新潟1600mでの新馬戦を快勝後に札幌2歳Sも連勝。

阪神JFでは1番人気として出走しますが、気性面の難しさを出して惨敗した後、伝説のNHKマイルカップで競馬ファンの多くの戦慄させました。


競馬 ロックディスタウンがファンサービス?? 危険

その後は新馬戦で見せた上がりを見ることはなく2019年に現役を退きましたが、その能力は間違いなくG1レベルだった1頭です。

新潟を除く歴代最速はワグネリアン


2017/07/16 中京5R 2歳新馬【ワグネリアン】

歴代7位として堂々と32.6の上がりでランクインしたワグネリアン

10位以内にランクインした馬の中では新潟で開催された新馬戦以外では最速の上がりをマークしている点はさすが2018年のダービー馬。

中京2000mで開催された新馬戦をメンバー最速の上がり32.6で快勝しています。

その後は無敗の3連勝でクラシック戦線に名乗りを上げ、福永騎手の初のダービージョッキーへと導きました。

ちなみに未勝利戦まで含めると2015年に新潟1600mを勝ち上がったアストラエンブレムが同じく32.6の上がりを記録しています。

上位10頭のうち9頭が新潟という結果に・・。

10位タイとして32.7の上がりを記録したナヴィオン、マイネルラフレシアも同じく新潟の1600m、1800mを勝ち上がっており、上位10頭のうちワグネリアンを除く9頭が新潟競馬場で開催された新馬戦での上がりということになりました。

新潟競馬場は直線が長く、他の競馬場に比べると速い上がりがでやすい傾向があります。

特に8月の前半に行われる新馬戦は馬場もよく、単純に馬の能力だけを評価する指標としては上がりは少々弱い印象を持ちました。

2歳新馬・未勝利戦歴代上がり最速ランキング(1600〜)

1位 ウラヌスチャーム 32.0 新潟1600m
1位 ウーマンズハート 32.0 新潟1600m
3位レプランシュ 32.4 新潟1800m
4位ロックディスタタウン 32.5 新潟1600m(重賞馬)
4位サプルマインド 32.5 新潟1600m
4位エネアド 32.5 新潟1600m
7位ワグネリアン 32.6 中京2000m(G1馬)
7位アストラエンブレム 32.6 新潟1600m
10位ナヴィオン 32.7 新潟1600m
10位マイネルラフレシア32.7 新潟1800m

ウーマンズハートは今後活躍できるのか!?

2歳新馬戦における歴代の上がりを見ていくとG1馬、重賞馬は1頭ずつとなっており、特に新潟開催での新馬戦での上がりは馬の能力を図る上ではやや参考にしにくい印象を持ちました。

しかしウーマンズハートは同新馬戦で2着のマルターズディオサに上がり3Fだけで1.3秒の差をつけていることや、中団からレースを進め、最後の直線ではまだ遊ぶところを見せていることから、今後クラシック候補として活躍していく可能性も否定できません。

次走は新潟2歳Sを予定しているとの話も西浦調教師からでているため、順調にいけばシルクレースホースのクラシック有力馬モーベットと激突することになりそうです。

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次走が試金石にはなるものの、得意の新潟で新馬戦で見せた豪脚を再び披露してもらいたいです!

2019-2020年POGクラシック超有力馬の次走・近況まとめ

【2019年8月8日最終更新】

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春競馬が終わったと思えばいつの間にか夏競馬も折り返し地点まできています。

四季や季節の変化を競馬のレースで感じる競馬ファンは私以外にも絶対いらっしゃいますよね。笑

特にPOGを楽しんでいる競馬ファンはそれが顕著に現れるのではないでしょうか。

6月にはじまった新馬戦から既に2ヶ月が過ぎ、重賞馬や2勝馬もでてきております。

ここでは今年デビューした新馬の中からクラシックの有力候補をピックアップし、その近況や次走報などをまとめていきます。

リアアメリア(牝)【2019年6月1日阪神デビュー】


2019/06/01 阪神5R 2歳新馬【リアアメリア】

父ディープインパクト 母リアアントニア

デビュー前の評価で昨年のダノンファンタジーを超えるとの噂が流れたリアアメリア。

デビューが阪神1600mの新馬戦開幕週であったことから、多くのペーパーオーナーが指名しています。

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新馬戦では出遅れた川田騎手が常に持ったままで後続を7馬身千切る圧巻のパフォーマンスを披露、一躍牝馬クラシックの主役候補として名をあげました。

2着以下の馬も順当に勝ち上がっていることから、2歳牝馬路線でも中心になっていくことは間違い無しです。

次走は東京1600mで開催されるGⅢアルテミスSが予定されています。

リスグラシューやラッキーライラックなど過去の勝ち馬はクラシックの中心として活躍しているだけに、ここもあっさりとクリアしてほしいです。

サリオス(牡)【2019年6月2日東京デビュー】


2019/06/02 東京5R 2歳新馬【サリオス】

父ハーツクライ 母サロミナ 

ステルヴィオやグランアレグリアなどの実力馬を毎年輩出している安田記念当日の東京1600m新馬戦。

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今年はノーザンファーム生産の藤澤厩舎の評判馬アブソルティスモに堀厩舎が同じくノーザンファーム生産のサリオスをぶつけるという非常に珍しい構図になりましたが、蓋を開けて見ると33.1という異次元の上がりで後続を突き放したサリオスが圧巻のレースぶりで勝利しました。

サリオスの次走は同じく東京1600mで開催されるGⅢサウジアラビアRCとなっています。

昨年はグランアレグリア、一昨年はダノンプレミアムと後のG1馬が勝利しているレースであるだけに、サリオスのパフォーマンスも非常に楽しみです。

ダノンプレミアムなど、これまでの勝ち馬はその先のローテーションとして朝日杯FSを選んでいますが、クラシックを見据えると仮定した堀厩舎のこの先のレース選びにも注目したいです。

モーベット(牝)【2019年6月2日東京デビュー】


2019年6月2日 東京6R 新馬戦 モーベット

父オルフェーヴル 母アイムユアーズ

サリオスが勝利した直後のレースでこれまた破格のパフォーマンスを見せつけたモーベット。

今年のオルフェーヴル産駒の中ではデビュー前から非常に評価が高く、それに違わぬ実力を見せつけた勝利でした。

成長する毎に気性面で難しいことを見せてくるオルフェーヴル産駒であるだけに今後成長とレース選びが気になる一頭です。

次走は夏競馬を使うことが既に発表されており、新潟1600mで開催されるGⅢ新潟2歳Sを予定しています。

牝馬では2014年に桜花賞を制覇したハープスターが異次元の末脚を発揮したレースとしても印象深く、桜花賞を目指したローテーションであることはほぼ明確です。

同じシルクホースクラブのリアアメリアとはG1までは直接対決することはおそらくないため無敗での2歳G1決戦も非常に楽しみです。

ワーケア(牡)【2019年6月9日東京デビュー】


2019/06/09 東京5R 2歳新馬 【ワーケア】

父ハーツクライ 母チェリーコレクト

評判馬の多いハーツクライ産駒の中でもハイレベルな新馬戦を勝ち上がったワーケア

後述するゴルコンダだけでなく、新馬戦で2着になったウインカーネリアンは続く未勝利戦ですぐに勝ち上がっており、これらを外からあっさりと差し切った本馬もクラシック有力候補の一角です。

新馬戦では東京の1800mを使っていることから牡馬クラシックを見据えたローテが組まれることは明確で、次走もルメール騎手で東京1800mのアイビーSと発表されています。

ここまで紹介してきた馬はすべてノーザンファームの生産馬ですが、現時点で次戦の鞍上がルメール騎手と発表されている馬はおらず、本馬に対するノーザンファーム側の期待も伺えます。

ノーザンファームのファーストジョッキーであるルメール騎手に大舞台で選択してもらえる馬になれるかという点も近年のPOGでは非常に大切なポイントです。

ゴルコンダ(牡)【2019年6月9日東京デビュー】


2019年7月27日 札幌1R 2歳未勝利 ゴルコンダ

父ヴィクトワールピサ 母ゴレラ

ワーケアに新馬戦で負けたものの、7月27日に札幌1800mで開催された未勝利戦を2歳レコードタイムで勝ち上がりました。

当日は札幌競馬の開幕週ということもあり、速い時計が出やすい馬場ではありましたが、逃げたままルメール騎手がほとんど仕掛けることなく後続に2秒近く差をつける圧巻のレースを披露。

デビュー戦に比べると馬体重も-16キロとなっており、前走が万全の状態ではなかったと仮定すれば、そのパフォーマンスはワーケアにも劣らないでしょう。

次走は札幌1800mのGⅢ札幌2歳Sと発表されており、ここを連勝するようであれば一躍クラシック候補の一頭として注目を集めそうです。

ラインベック(牡)【2019年6月29日中京デビュー】


2019/07/20 中京9R 中京2歳S(OP)【ラインベック】

父ディープインパクト 母アパパネ

3冠馬同士の配合に母父はキングカメハメハ。

これがすべて同じオーナーの馬であることが金子真人氏の凄まじいところです。笑

金子真人オーナーの結晶として、毎年POGで人気のディープとアパパネの3冠配合。

全兄弟よりも気性が大人しく、厩舎がクラシックでの実績が高い友道厩舎であることからラインベックは例年以上に人気を集めています。

アドマイヤマーズやワグネリアンなど近年の友道厩舎では有力馬が中京開催で下ろされることが多く、本馬も6月29日の中京1600mで新馬戦を快勝。

そのまま在厩調整し、中京2歳Sで既に2勝目を飾っています。

比較的メンバーの集まりにくいレースであるため、レースレベルには疑問が残るものの気性的な難しさを見せることはなく、優等生な走りを見せてることから今後も注目を集めていくことになりそうです。

友道調教師からは距離は伸ばしていく方向で進めていきたいという話がでており次走は東京1800mで開催されるGⅢ東スポ杯2歳Sが予定されています。

マイラプソディ(牡)【2019年7月7日中京デビュー】


2019/07/07 中京5R 2歳新馬【マイラプソディ】

父ハーツクライ 母テディーズプロミス

武豊騎手と凱旋門賞を勝つことを夢見て中央馬主になったキーファーズ所有のハーツクライ産駒です。

キーファーズの高額落札馬は未だにクラシックで活躍した馬がおらず、POG界隈では取捨が難しいと毎シーズン頭を悩ませている方も多いです。

本馬はノーザンファームの生産馬というだけでなく、キーファーズでは珍しい庭先取引であること、これまであまり所縁のない友道厩舎が管理するなど、良い意味で気になる点も多く個人的にも期待していた馬でした。

中京2000mで開催されたデビュー戦では前残りの展開を後方から進め、直線では古馬を思わせる豪快な差し脚を披露し、その力の片鱗を見せつけました。

3着馬のブルーミングスカイが次走を7馬身差で完勝しており、レースレベルも非常にハイレベルであったことが証明されました。

次走は2年前に同新馬戦を勝ち、後にダービー馬になったワグネリアンと同じ阪神1800mの野路菊Sを予定しています。

勝ち上がることになればこちらもワグネリアンと同じ東スポ杯2歳Sを目指すことになりそうですが、同厩のラインベックとの使い分けも気になります。

ウーマンズハート(牝)【2019年8月3日新潟デビュー】

父ハーツクライ 母レディオブパーシャ


2019/8/3 新潟5R メイクデビュー2歳新馬「ウーマンズハート」剛脚で差し切り!

ダーレージャパンファームの生産したハーツクライ産駒。

新馬戦の新潟1600mではラスト3Fを32.0という驚異の上がりを披露し3馬身差の完勝。

32.0という上がりは歴代の2歳馬の中では最速となっています。

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最後の直線ではヨレるなど、まだまだ遊んで走っている印象もあり順調に進めば、牝馬クラシックの台風の目にもなり得る一頭です。

次走は同じく新潟1600mの新潟2歳Sが予定されていますが、レース間隔がやや短くなってしまいます。

新潟2歳Sにはノーザンファームの有力馬の一頭であるモーベットも出走予定であるため、ここで一度リフレッシュし秋からの再始動も考えられます。

非社台系でG1を狙える素質がある一頭なだけにレース選びも慎重に行ってほしいです。

まだまだ先が読めない2020年クラシックの行方!

本記事を執筆した8月3日段階では、ハーツクライ産駒を中心に7頭の馬をピックアップしました。

昨年のクラシックの主要タイトルのほとんどを獲得したディープインパクト産駒の有力馬が少ないだけに、秋以降にデビューする馬たちにもまだまだ注目する必要がありそうです。

また残念ながら紹介することができませんでしたが、6月22日に東京1800mでデビューしたグランアレグリアの全弟ブルトガングはクラシックの舞台にいく前に、この世を去ることになりました。

無事であればクラシック有力候補の一頭であっただけに、非常に残念です。

ブルトガングの無念を晴らすためにもディープインパクト産駒には例年以上に頑張ってもらいたいです。

今回は文字数の関係で紹介することができませんでしたが、クラシックを目指す逸材はまだまだたくさんいます。

皆さんの注目する2歳馬がいればぜひコメントをいただければ幸いです。

【速報】ディアドラが英G1ナッソーSを制覇!!マーフィーお見事!

今週末の競馬開催を待たずして競馬ファンには嬉しいニュースが飛び込んできました!

橋田満厩舎のディアドラがイギリスで海外されたG1ナッソーSを勝利しました。

ドバイ、香港、そして欧州と海外を転戦してきたディアドラ陣営にとってはまさに悲願ともいえる勝利です!

鞍上のマーフィー騎手は先週のキングジョージでシュヴァルグランの手綱もとっていましたが、現地ジョッキーらしい素晴らしい騎乗でした。

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Chris HudsonによるPixabayからの画像

ディアドラの適性を読みきった陣営にあっぱれ!

ディアドラといえば2017年に秋華賞を制覇した日本でも実績のある牝馬です。

その後はG1ではなかなか結果を残せていませんでしたが、今年春の中山記念での凡走以降は日本の競走馬としては異例の長期海外遠征へ。

ドバイ→香港→ヨーロッパを転戦し見事栄冠を手にしました。

国内でも実績のある牝馬をあえて海外で長期遠征させしっかりと結果を出した橋田満厩舎にはまさにあっぱれです!

ディアドラの父ハービンジャー

ディアドラの父であるハービンジャーは2010年にアスコットで開催されたキングジョージ6世&クイーンエリザベスSを歴代最高クラスのパフォーマンスで制した名馬です。


2010 キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS ハービンジャー

レース後の故障によって現役を退くことになり、社台グループが輸入する形で社台SSで種牡馬入りしました。

産駒にはディアドラ以外にもペルシアンナイト、モズカッチャン、ブラストワンピース、ノームコアなどのG1馬が複数います。

比較的タフな馬場や展開を得意とする産駒が多い傾向がありますが、2019年にヴィクトリアマイルを制したノームコアは府中の超高速馬場にも対応しており、SSの血を持たないことから今後の日本のサイヤーランキングでも上位争いをすることが予想される種牡馬です。

gull.hatenablog.com

ディアドラも昨年札幌で開催されたクイーンSで抜群のパフォーマンスを発揮しており、父と同様洋芝の適性は非常に高いことが伺えます。

近年輸入された種牡馬の中ではトップクラスの成績を残しているといっても過言ではありません。

ディアドラの海外遠征はウマが合う馬のおかげ?

ディアドラの長期海外遠征については2019年の5月に武豊TVで放送された裏話があります。

実はドバイワールドカップデーでスプリント戦に出ていたオーストラリアのビドラとディアドラが非常に仲が良く、双方にメリットがあることから同じ海外遠征プランが組まれたという話でした。

もちろんディアドラの欧州適性の高さを考慮していることは前提にありますが、国もまったく違う馬同士が帯同しながら海外転戦するという前例は他にもあるのでしょうか?

話を聞いたときにすごい驚いた記憶があります。

今回のディアドラの勝利はきっとビドラも喜んでいることでしょうね。

ディアドラ陣営の歓喜の映像

これはディアドラが勝った昨夜にtwitter上にアップされた動画です。

ディアドラ陣営のレース中とゴール後の様子を撮影した動画なのですが・・。

思わずこっちまで泣けてきてしまいます。笑

日頃から馬券、POG、一口馬主などいろいろなことで一喜一憂している競馬ファンですらさまざまな感情を駆り立てられるだけに、陣営のこれまでの努力と馬への想いが詰まったこの動画は特別な感情を抱かされますね。

日本の競馬ファンがディープショックに落ち込む中で素晴らしいニュースを届けてくれたディアドラ陣営には感謝の言葉しかありません。

欧州でのG1勝利は?

ドバイや香港などの海外でのG1勝利といえば今年だけでもアーモンドアイ、ウインブライトなどさまざまな馬が活躍しています。

しかし欧州でのG1勝利となると話は別です。

直近では2016年のエイシンヒカリのイスパーン賞。

牝馬の勝利となると日本調教馬としてはじめて欧州のG1を制覇した1998年のシーキングザパールまで遡ることになります。

今回のディアドラの勝利は令和初の海外G1ウィナーの称号だけではなく、まさしく歴史的偉業といっても過言ではありません。

ディアドラおめでとう!!

ディアドラのナッソーSは日本馬としては異例の長期海外遠征を行なった陣営の英断とディアドラの適性が噛み合った歴史的勝利です。

これまで手綱をとっていた武豊騎手ではなくマーフィー騎手が鞍上だった点については少々残念な気持ちにもなりましたが、現地を知り尽くした騎手だからこそ勝てたという点も否めません。

少々早歩きにはなってしまいましたが、ディアドラの勝利を伝える第一報としてお伝えいたしました!

ディープインパクトの後継種牡馬について考える。ディープの血は繋げることができるのか?

ディープインパクトの死が日本競馬界に与えた影響は計り知れません。

7年連続でリーディングサイヤーに輝いた圧倒的な王者がいなくなったことで、今後の種牡馬の争いはより激化することが予想されます。

また競馬ファンなら誰しもが考えることがディープインパクトの後継種牡馬です。

ここではそんなディープインパクトの後継種牡馬について考えていきます。

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※2016年に社台SSで撮影した龍王ロードカナロア。穏やかな表情です。笑

日本競馬としての後継種牡馬

日本競馬ではリーディングサイヤーランキングで毎年上位争いをしてきた、ディープインパクト、キングカメハメハ、ステイゴールドが既に種牡馬として引退しました。

それぞれの産駒がデビューし現役で活躍する数年はリーディング争いに大きな変化は起きないと思いますが、ステイゴールド産駒は既にラストクロップが昨年デビュー済み。

ディープ産駒やキンカメ産駒も2020年以降は徐々に頭数が減りはじめるため、それ以降の種牡馬リーディングはどのような馬が台頭するのか非常に興味深いです。

ここでは日本競馬の未来を支える種牡馬として3頭の馬をピックアップしました。

ロードカナロア 


2013年 香港スプリント(G1) ロードカナロア【ラストラン】

2017年に初年度産駒がデビューし旋風を巻き起こしたロードカナロア。

牝馬三冠を達成したアーモンドアイをはじめ、牡馬クラシックを制覇したサートゥルナーリア、3歳にして古馬マイルG1を勝利したステルヴィオなど、2世代で多くのG1馬を輩出しています。

2019年にデビューした3年目の産駒は勝ちきれない馬が多くあまり順調とは言えませんが、種付け料も1500万を超えているため今後は繁殖牝馬の質も一気にあがることが想像できます。

サンデーサイレンスの血を一切持たないことから、キングカメハメハの後継種牡馬としてディープ、ハーツ、ステイゴールドなどのサンデー系の牝馬に種付けできる点も魅力です。

アーモンドアイやサートゥルナーリアなど2000m以上のG1を勝っている馬がいるものの、本質的にはマイルまでの距離を得意とする産駒が多いだけに、それがリーディング争いになったときどこまで影響するかが重要になりそうです。

ドゥラメンテ


2015/04/19 第75回 皐月賞(GⅠ)【ドゥラメンテ】

2015年に牡馬クラシック二冠を達成した超良血馬。

ディープインパクトの3冠達成時の「日本近代競馬の結晶」という名実況を血統面で体現していると言っても過言ではない馬です。

日本ダービー後に骨折が発覚し、翌年の中山記念で復帰するもその後はG1を勝てずに二度目の故障で現役を去ることになりました。

後にG1を7勝するキタサンブラックと3度レースし、一度も先着を許さなかったなど、その競走能力はキングカメハメハの産駒の中でも屈指です。

種牡馬としては初年度産駒が2020年にデビュー予定であるため、まだ実績が未知数な部分はありますが、関係者の評価は非常に高く2019年のセレクトセールでも3頭の億越えが落札されています。

SSの血を持たないロードカナロアに比べるとSS直系の牝馬に種付けすることが難しいものの、ディープインパクト用にノーザンファームが輸入していた海外の豪華繁殖牝馬が周ってくるようであれば非常に面白いことになりそうです。

私個人としてはロードカナロアよりも期待している種牡馬です。

モーリス


2016/10/30 第154回 天皇賞(秋)(GⅠ)【モーリス】

2014年、2015年に活躍した日本歴代最強マイラー。

アジア圏のマイルG1を総ナメにし、キャリア晩年では天皇賞秋や香港カップなどの2000メートルのレースでも抜群のパフォーマンスを披露しています。

馬主はノーザンファーム社長の吉田勝己氏の奥様である吉田和美氏名義であるため、引退後は社台SSに抜群の待遇で種牡馬入り。

初年度に種付けした繁殖牝馬にはブエナビスタ、ジェンティルドンナ、ヴィルシーナなど錚々たる顔ぶれが並びます。

ドゥラメンテと同じく2020年に初年度産駒がデビュー予定ですが、現在の評価ではドゥラメンテに比べると前評判はややトーンダウンする印象。

2018年のセレクトセールではラスティングソングの2018が1億7000万で落札されるなど一定の評価はされているようです。

ディープインパクトの直系の後継種牡馬

競馬ファンとして非常に気になるもう一つのポイントがディープインパクトの直系の後継種牡馬です。

ディープインパクト自身はサンデーサイレンス晩年の最高傑作として牡馬クラシック三冠などの日本競馬の最高クラスの実績を引っさげて種牡馬入りしました。

しかし

自身の産駒を見ると2019年8月時点では最高傑作と自信をもって言える産駒はでてきていない印象を持ちます。

国内外のさまざまなタイトルを獲得したジェンティルドンナクラスの牡馬が輩出できれば、後継種牡馬問題は解決したかもしれませんが、現状は質より量という形で血を繋げていくことになりそうです。

キズナ


2013年 日本ダービー キズナ 武豊

2013年に開催された日本ダービーで武豊とともに劇的な勝利を飾ったダービー馬。

個人的には非常に思い入れのある馬ですが、その後は怪我などもあり、G1を勝つことはなく現役を去りました。

初期のディープ産駒の中では後継種牡馬のエース格とされており、2019年に初年度産駒がデビューしました。

勝ち上がり率も決して悪くはなく、函館2歳Sではビアンフェが初重賞を勝つなど種牡馬としては上々の立ち上がりです。

種牡馬として結果を残す上で非常に大切なノーザンファームの種付け数が比較的少なめである点が少々気がかりですが、ディープインパクトの死後、繁殖牝馬がどの程度回ってくるかが鍵になりそうです。

サトノダイヤモンド


2016/10/23 第77回 菊花賞(GⅠ)【サトノダイヤモンド】

3歳で菊花賞と有馬記念を制覇するなど、実績だけで見ればディープ産駒の中でも最上位クラスの1頭。

凱旋門賞挑戦後は競走馬としてのキャリアを高められたとは言い難いですが、社台SSに入ることができたため、後継種牡馬として最低限のポジションはキープした印象です。

産駒の評価については未知数ですが、3歳時点での実績とディープ産駒の中でもトップクラスの馬体を見ると種牡馬としても期待したいです。

個人的には2016年のクラシックは非常に楽しませてもらったため、種牡馬としても結果を残してもらいたいです。

エイシンヒカリ


イスパーン賞2016 エイシンヒカリ

気性激しい逃げ馬としてディープインパクト産駒の中では異色の競争成績を残したエイシンヒカリ。

国内G1では2度の天皇賞で惨敗することになりましたが、香港カップとイスパーン賞で見せた走りは種牡馬としても非常に期待したくなる圧巻のパフォーマンスでした。

社台SSではなく、レックススタッドに繋養されているため、他の後継種牡馬に比べるとやや不利な状況な否めませんが、非社台系でディープの血を繋ぐ可能性があるとすればこの馬です。

現役馬を含めて多くの後継候補が

ディープ産駒に関して言えば、今回紹介した馬だけでなく非常に多くの産駒が種牡馬として繋養されています。

2019年に初年度産駒がデビューし、新種牡馬リーディングでも結果を残しているリアルインパクトをはじめ、ドバイターフを制した良血馬リアルスティール、マイル路線を中心に活躍したミッキーアイルやサトノアラジンなど社台SSだけでもこれだけの後継種牡馬がいます。

また現役にもマカヒキ、ワグネリアン、ロジャーバローズなどのダービー馬、重賞では圧倒的なパフォーマンスを見せているダノンプレミアムなど、後継争いに加わる産駒は非常に豊富です。

もちろんまだ未デビューの馬の中にもこれらの馬を上回る最高傑作がいる可能性も否定できませんしね。

日本競馬の血統図が激変するか!?

ディープインパクトがこの世を去ったことで、日本競馬における種牡馬争いは間違いなく激化することが予想されます。

正式な後継馬が見つけられない社台SSが海外から新たな種牡馬を輸入する可能性も否定できませんし、予想するのは馬券を買う並みに困難です。笑

私個人としてはサンデーサイレンス死後のアグネスタキオンのようなイメージでドゥラメントを被らせてしまいますが、皆さんの予想はどうですか?

さまざまな意見を募集しています!

 

ディープインパクトのラストクロップはどの馬?最終世代について考えてみた

日本にいる競馬ファンの多くが悲しみに暮れた7月30日。

ディープインパクト死亡のニュースが駆け巡りました。

私自身もディープインパクトの三冠レースは競馬ファンになる以前からしっかりと記憶に残っている数少ないレースの一つであり、凱旋門賞や2回の有馬記念は今でも鮮明に覚えています。

私の心に深く刻まれている伝説の2013年日本ダービー。

実力馬の凌ぎ合いに心踊った2016年の牡馬クラシック。

これらの主役であったキズナ、マカヒキ、サトノダイヤモンド、ディーマジェスティなどはすべてディープインパクトの産駒でした。

もちろんディープインパクトが競争馬、種牡馬として日本に残してきた功績はこれだけに留まらず、数多くの名レース、名馬、名牝を日本競馬に送り出してきました。

日本競馬界はしばらく”ディープインパクトの死”で一色になってしまうと思いますが、ここで残されたディープインパクトの血を受け継ぐ馬のことについて考えてみたいと思います。

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※写真は2016年に社台SSで撮影したディープインパクトの写真。

ディープインパクトの残る世代は2世代

ディープインパクトの産駒は今年デビューした産駒を除くと残り2世代。

昨年種付けされた2018年世代は197頭の繁殖牝馬に種付けがされていますが、出産頭数については現時点で明確な数字はわかりません。

今年種付けされた世代については3月にディープインパクトの首の痛みを理由に種付けを中止しているため、種付けされた繁殖牝馬の数は24頭と言われています。

ディープインパクトの晩年の産駒については種付け料のアップによって日本の繁殖牝馬だけでなく、海外の一流の繁殖牝馬が来日して種付けを行なっているため、これらの産駒の中で無事に日本で競争馬としてデビューする馬の数は非常に少なくなることが予想されます。

日本で種付けを行なった繁殖牝馬はなんと4.5頭!?

この記事を書いている際に非常に興味深い記事を見つけました。

競馬ファンでSNSをやっている方にはお馴染みの次走報さんが引用ツィートした社台SS徳武さんのコメントです。

なんと日本で生まれるディープインパクトの最終世代は4.5頭というのです。

もちろん競争馬の世界は生まれた馬がすべて健康に育ってデビューするわけではありませんので、この中の何頭がディープインパクトのラストクロップとして日本のターフを走るのでしょうか?

ディープインパクトの最後の遺伝子を受胎している繁殖牝馬の情報などは現在まだ出回っていませんが、この中の産駒にノーザンファームの繁殖牝馬がいるとしたら・・。

その馬が牡馬でセレクトセールで取引されることになるとしたら・・。

果たしてどんな金額で落札されるのでしょうか?

ちなみにディープインパクト産駒の最高額落札馬については2017年にセレクトセールに上場されたイルーシヴウェーヴの2017。

落札額は衝撃の6億2640万円で当歳の牡馬では歴代最高額となっています。

奇しくもこのイルーシヴウェーブの2017は今年新馬としてデビューする予定です。

名前はアドマイヤカストルでしたが、オーナー側の都合で今月急遽名称がアドマイヤビルゴに変わっています。

今年注目の2歳馬の中ではデビューの目処はたっていないようですが、残された数少ないディープインパクト産駒として衝撃のデビューを飾ってほしいです。

ディープインパクト亡き令和の日本競馬

ディープインパクトは種牡馬として7年連続でリーディングサイヤーに輝き、産駒のG1勝利数は50勝を超える日本競馬史に残る種牡馬です。

ディープインパクトの死という悲しみに暮れると同時に、競馬ファンの皆さんは次のリーディングサイヤーの栄冠をどの馬が掴むのか気になると思います。

gull.hatenablog.com

今年はディープインパクトと同じく日本の競馬史に残る種牡馬成績を残したキングカメハメハの種牡馬引退も発表されています。

オルフェーヴルやゴールドシップなどの名馬を輩出したステイゴールドは2015年にこの世を去っており、ラストクロップは昨年末に既にデビューしています。

2019年7月末時点での種牡馬リーディングではTOP3に輝く馬が既に種牡馬としての現役を終えた令和元年。

日本競馬はいったいどのような方向に向かうのか。

ディープインパクトの死は非常に悲しいですが、これからはじまる新しい日本競馬の展望を考えると不思議とワクワクした気持ちにさせてくれます。

ディープインパクト亡き日本競馬の皆さんの展望をぜひお聞きしたいです。